あまちゃんデータブック 第2版での追記箇所について(北三陸編)

あまちゃんデータブック-unofficial 北三陸編」は2014年3月13日に下記の通り追加改訂した第二版を出版しました。2014年3月12日以前にご購入頂いた方で、「全部読み返すのは大変だから、追記した部分だけまとめて読みたい」という方はこちらの記事をご確認下さい。

なお、検索ページからいらした方へ。こちらはKindle電子書籍「あまちゃんデータブック-unofficial 北三陸編」の本文のごくごく一部になっております。詳しくはAmazonの商品ページをご確認下さい。こちらの電子書籍KindleのほかiPhoneiPad、各種Android端末でも読むことができます。またここで登場するドラマ内でのセリフは「書き起こし」や「まるごと引用」ではなく、内容がわかる範囲に要約したものを使っておりますので、正確な表記については映像やシナリオをご確認下さい。

小ネタ&用語解説

■第1回

あまちゃん」のタイトルについて

タイトル案は当初『ゲゲゲの女房』のように『じぇじぇじぇの○○』が候補だったが、NHKの朝ドラは「ん」のつくタイトルが縁起がいいというジンクスがあり、それを聞いた宮藤官九郎が「梅ちゃん先生も当たったから『あまちゃん』でいいんじゃないか」と言い、このタイトルに決まったとのこと。(『NHK連続テレビ小説あまちゃん」完全シナリオ集 第1部』冒頭、井上剛の前書きより)

また当初は『ママはアイドル』という仮タイトルもあったことをプロデューサーの訓覇圭が語っている。(「FILM FESTIVAL & Asia 2013」での2013年10月27日(日)開催のワークショップ『日本の朝を変えた15分訓覇式「あまちゃん」現象へのプロセス』より)同ワークショップでは、主人公が海女に決定する前の設定では「秘境の村を『伝説のカッパ舞い』で救う少女の話」だったことも明かされている。

 

タイトルロゴについて

ディレクターの吉田照幸によるとタイトルロゴの輪っかは「ウニ」のイメージとのこと。(NHKブログ「あまちゃん」スタッフ座談会より)

またこのロゴを作成した美術担当・岩倉暢子へのインタビューでは「6種類の筆文字から選んだ」「文字をマルで囲ったのは能年さんへのエール」「円の右上が少し開いているのは願掛け」「海女さんのヤツカリに着想を得た」など、このロゴについての思い入れや裏話が詳細に語られている。(マイナビニュース2013年09月27日の記事「いよいよ最終回! 連続テレビ小説『あまちゃん』のタイトルロゴに秘められた想い ーNHK担当者に聞いてみた」より)

 

三陸駅のホームにいるキツネ

シナリオ上では「野生のイタチ」になっている。

 

大吉から春子へのメール

【既存項目に追記】NHKブログ「あまちゃん」スタッフ座談会でも、「あんべちゃんの同級生ネットワークからゲットしたと思う、それ以上のことは細かくは決めてない」と訓覇圭プロデューサーや井上剛ディレクターが回答している。

 

じおらま【ジオラマ】[実]

立体模型のこと。語源はフランス語の「diorama」。ドラマ内のジオラマの製作指導は小山義記氏で、代表を務める会社「COMPRESSION Modelling」のサイトの制作事例のコーナーにも、ドラマ内で使われた事例の写真が8点公開されていて、ドラマ映像では出てこない角度の写真もある。

 

■第5回

灯台下の「STOP」の文字

防波堤に書いてある「STOP」の文字は、ドラマのために美術スタッフが書いたものであり、もともとロケ地にあったものではない。1984年の回想シーンでは「STOP」になっているが、2008年にアキが飛び込むシーンでは「STEP」になっているとのこと。これに気づいたのはひとりだけだったという(NHKブログ「あまちゃん」スタッフ座談会より)。アキが防波堤から海に飛び込むシーンは他にもあるが、はっきりとSTOPの字が映るのは第5回。確認したところ「O」の字の右半分の一部が薄くなって「E」の字にも見える、という状態であった。これは毎回のオープニングテーマ半ばで進行方向から見た映像のほうが確認しやすい。言われてみれば確かに「STEP」と読める。

 

■第6回

豊嶋花

回想シーンで春子の少女時代を演じた子役の豊嶋花はこの『あまちゃん』を含め朝ドラに3作出演している。2012年の朝ドラ『梅ちゃん先生』では主人公の病院を訪れる中井育代役として登場。『あまちゃん』終了後の2013年10月にスタートした『ごちそうさん』ではヒロイン・め以子(杏)の幼少期を演じ、第一週の実質的な主役であった。(参照:オリコンスタイル「『ごちそうさん』の子役・豊嶋花、朝ドラ3作目 「第2の芦田愛菜」と評判」

 

■第8回

吉田副駅長のアドリブ

大吉が「ゴーストバスターズ」を一声だけ歌って店を飛び出した後、吉田が「ゴーストバスターズ」を歌いながら戻ってくる場面があるが、ここは吉田を演じる荒川良々のアドリブである。シナリオ上では「いってらっしゃい!」の台詞でこの場面は終わっているが、演出家がカットをかけずにいたら荒川が歌い始めたということであった(NHKブログ「あまちゃん」スタッフ座談会より)。ちなみに荒川のアドリブの歌詞であるが、字幕表示では『これ 簡単。♪「Ghost…」』と表記されている。

 

■第9回

長内夫婦の設定

「組合長とかつ枝さんも夫婦だった」「まだ一緒に暮らしてっけどな」という台詞があり、ふたりは離婚した夫婦であることが明らかになる。シナリオ上ではさらに詳細な設定があり、『結婚→離婚→再婚→昨年離婚→まだ結婚する気がして様子見で一緒に暮らしている』というかつ枝の説明があるが、ドラマではカットされている。

 

■第11回

ユイの東京イメージ

【既存項目に追記】なおオンエアではカットされているがシナリオ上には「秋葉原の喫茶店に入ると『お帰りなさい』って言われるんでしょ?」のセリフがある。

 

■第12回

大吉のセリフ

ホームに春子とアキを残して発車した列車から、大吉が「やべえ! 春ちゃん! アキちゃん! なして? バイバイすんのけ? なして俺だけ? 春ちゃーん!」と叫んでいるが、ここはシナリオ上では「春ちゃん!」のセリフと「大吉、何か必死に叫んでいるが聞こえない」というト書きのみなので、大吉のセリフはおそらくアドリブである。

 

■第17回

吉川晃司

【既存項目に追加】シナリオ上では第23回に「デビューが決まって上京する時に広島から泳いで行ったんだって、デマだけどね(笑)」という春子のセリフがあるが、オンエア時にはカットされている。また第68回のシナリオでも花巻がこの都市伝説を信じているというエピソードがあるが、こちらもオンエア時にはカットされている。

 

■第23回

まいけるじゃくそん【舞蹴蛇苦尊】

【既存項目に追加】なおシナリオ上では「愛羅武勇」「舞蹴蛇苦尊」の他に「仏恥義理」「塁美豚」「裸報礼」の文言がある。「塁美豚」は「ルイ・ヴィトン」、「裸報礼」は「ラフォーレ」であろうか。またシナリオ上では「海、死ね」「ウニ、死ね」のところには「リアス殺す」という文言もあるが、オンエアでは触れられていない。

 

■第27回

なまり過ぎる海女

「美人すぎる○○」「かわいすぎる○○」などの言葉が流行しはじめたのは、2007年に当時27歳だった藤川優里青森県八戸市市議会議員に当選したことから「美人すぎる市議」として有名になったのがきっかけだと言われている。

 

■第38回

「ぶりっ子って言葉の語源は聖子ちゃんだからね」

「ぶりっ子」は80年代の流行語。わざとらしく可愛い振りをしたり、無知なふりをしたり、男性に甘えたりする女子のことをさして「カワイコぶりっ子」と呼び、これが変化したものが「ぶりっ子」である。TVオンエア時には「ぶりっ子って言葉の語源は聖子ちゃんだからね」という春子のセリフがあったが、販売されているDVD・Blu-ray版ではこのセリフがカットされている。松田聖子サイドからのクレームにより削除されたのではないかとニュースサイトなどでも話題になったが、NHK広報はこれを否定している。松田聖子の登場以前から「ぶりっ子」の言葉が使われていたという説もあるため、事実誤認がカットの理由ではないかとも思われるが、いずれにせよ理由は定かではない。

ちなみに大吉役の杉本哲太がかつてボーカルとして所属していたバンド「紅麗威甦(グリース)」が1982年に発表したファースト・シングルが「ぶりっこROCK'N ROLL」というタイトルであった。

 

■第40回

ユイの恋愛遍歴

オンエアではカットされているが、シナリオ上ではリアスでユイとアキが種市について語る場面で、ユイの恋愛についても語られている。「好きな男子は17年間ひとりもいない、仮にいても『いない』と答える、だってアイドルだから」「付き合った相手はいる。好きじゃないけど付き合った。『一緒にいると緊張する』と言って一週間で振られた」といった内容であった。

 

■第41回

水口の化石発見、幻の伏線

水口の初登場シーンではシナリオ上「岩手県北部琥珀層は中生代白亜紀後期のもの」「恐竜がいた時代のもので、実際に恐竜の骨が発見されている」と説明するもののリアスの面々は聞いていない、というエピソードがある。最終回での化石発見のエピソードにつながる伏線であるが、オンエアでは残念ながらカットされている。

 

■第44回

幻のサンタコスプレ

ヒビキのアイデアで、アキとユイがクリスマス限定でサンタのコスプレでウニ丼を売ることになる場面がシナリオにはあるが、オンエアではカットされている。

 

■第51回

潮騒のメモリーズのイラスト

ヒロシや種市たちが描いた『潮騒のメモリーズ』の看板イラストは、タイトルロゴもてがけた美術スタッフ岩倉暢子によるもの。(「あまちゃん」スタッフ座談会より)

 

■第56回

ステーキランチのロケ地

ユイが情報番組内のレギュラーコーナー「足立ユイの『もうお腹いっぱい!』」で紹介するお店のロケ地は、ハンバーグレストラン「GOLD RUSH」渋谷本店である。

 

■58回

カットされた場面

シナリオ上ではこの回で桜庭・坪井の新人海女ふたりがかつ枝・弥生と口論になったり、花巻がカレー味やトムヤムクン味などの独創的なまめぶを研究したりする場面がある(シナリオ集の書籍にして約1ページ半)が、オンエアではカットされている。

 

■第60回

「封鎖だ。国道45号線封鎖だ。」

【既存項目に追記】ちなみに宮藤官九郎はこの「踊る大捜査線」シリーズの1988年秋SPに放火犯として出演している。エキストラの中にまぎれて「現場の様子を見に来た犯人」として出演していたが、この撮影の時に隣にいたエキストラのおばちゃんに犯人役ではなく同じエキストラのひとりだと勘違いされ、「あんた目立ち過ぎよ」と怒られた……というエピソードがある。

 

■第61回

水口が見た夢

水口が琥珀堀りとして潜伏してる間、美寿々とつきあっていたのは時間稼ぎだった、美寿々さんにはいつか刺されると思った、ウニの殻割る奴で刺される夢を何度も見た、といった内容を告白するセリフがシナリオ上にはあるが、オンエアではカットされている。

 

■第62回

全国のご当地アイドルの名前

【既存項目に追記】なお、オンエアではカットされているが、シナリオ上では第61回で足立家を訪れた水口がよしえに次のご当地アイドルを紹介するエピソードがある。

・北海道「ホタテっ娘」

・青森「アップルぷるぷる」

・埼玉「NOオーシャン」

・奈良「遷都フォー」(元ネタはセイントフォー

・福岡「博多エプロン」

・沖縄「初々しいサーズ」

 

栗原ちゃんの年齢

栗原が「リアルタイムではないですね、ピンク・レディーもギリですね」という場面があるが、ピンク・レディーの活動期間は1976〜1981年であるため、おそらく彼女が生まれたのは1975年前後ではないかと考えられる。

 

GMT幻のメンバー

オンエアではカットされているが、アキとユイがGMT公式ホームページの地図を観るところで「北海道、青森、宮城、埼玉…」「今日見たら愛媛と島根が赤になってた」というセリフがシナリオにはある。ただし北海道、青森、愛媛、島根のメンバーは結局出てこない。

 

■第63回

「こんなもんですよ1980年代のアイドル映画なんて」

【既存項目に追記】80年代前半はアイドルを主演にした映画が大量に作られた。文芸作品を原作にしたものもあるが、「荒唐無稽なストーリー」なものも多い。オンエアではカットされているが、チェッカーズ主演の「TAN TAN たぬき」(85年)、志穂美悦子主演の「二代目はクリスチャン」(85年)、おニャン子クラブ主演の「おニャン子 ザ・ムービー 危機イッパツ!」(86年)のタイトルがシナリオでは挙げられている。

 

■第64回

幻のひとりフラガール

オンエアではカットされているが、シナリオ上では美寿々のレディ・ガガの紹介のあとに「かつ枝さんのひとりフラガール」をヒロシが読み上げるが、かつ枝は「練習で腰を痛めた」と言って、それはやめたと話すエピソードがある。

 

■第65回

カットされた若春子の金色夜叉

春子に叩かれたアキが家を飛び出した後、シナリオ上にはあるがオンエアではカットされたシーンがある。若き日の春子がブティック今野からマネキンを借りて学生服を着せ、それを相手に「金色夜叉」を練習していて、それを夏が冷めた目で見ているが春子は気づいていない、という回想エピソードである。春子は劇団のオーディションを受けるために稽古をしていたので、女優になりたいというアキを笑えないと夏に指摘されることになる。

 

■第68回

「おめえらの気持ちはよ〜くわかった」

この夏のセリフの元ネタはフジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組「ねるとん紅鯨団」(1987〜1994年)の石橋貴明の決め台詞である。(cut2013年8月号の井上剛チーフディレクターのインタビューより)

 

■第72回

大漁旗を振って見送る夏ばっぱ

浜辺で夏が大漁旗を振りながらアキの列車を見送る場面があるが、非常に似た演出の場面が2008年の朝ドラ「ちりとてちん」第2週にある。主人公の和田喜代美(貫地谷しほり)が列車に乗って故郷の福井県小浜市から大阪へ向かう時に、土手で母の糸子(和久井映見)やその家族が大漁旗を振りながら列車を見送る場面だ。

ちなみに、「ちりとてちん」と「あまちゃん」の共通項は他にもある。

・「ちりとてちん」の演出チームには、「あまちゃん」のチーフ・ディレクター井上剛や、プロデューサーの菓子浩がいる。

・「ちりとてちん」では喜代美が地元を出る前、母親に「お母ちゃんみたいになりたくない」と言う場面があるが、これが第59回のユイの台詞と共通する。

・「あまちゃん」最終回には水口と勉の化石発見エピソードがあるが、「ちりとてちん」にも恐竜の化石が出てくる。喜代美が貴重な化石と知らずに奇妙な石を保管していたが、同級生で人気者の清海が化石の第一発見者として紹介されてしまうエピソードがある。

・「あまちゃん」第103回の春子と鈴鹿が対峙する15分間長回しの一発撮りの場面があるが、「ちりとてちん」では喜代美の親友順子の妊娠が発覚する第90回に15分長回し撮影の回がある。

 

■ドラマ中使用曲解説

■第7回

レイ・パーカー・ジュニア「ゴーストバスターズ

【既存項目に追記】なお、鮨屋の梅頭を演じたピエール瀧が所属する電気グルーヴと、スチャダラパーがコラボして2005年に出したシングル「聖☆おじさん」は、この「ゴーストバスターズ」主題歌のパロディ的な曲調である。